2014.09.03
2014年9月11日(木)にバイオ統計センター公開セミナーを開催しました。
バイオ統計センター公開セミナー
日時:2014年9月11日(木)15:00-16:50
場所:バイオ統計センター 講義室
15:00-15:50
講演者1:張替勝也 (尚美学園大学芸術情報学部)
演題:「時代別に観測されたデータの分析による乳癌と肝臓癌の
因果関係の検討」
概要:大豆イソフラボンの摂取は、閉経後の女性の乳癌リスクを
減らすが,一方で肝臓癌リスクを増加させるがことが
知られている.したがって,大豆食品やイソフラボン
サプリメントのブームは,乳癌を減らし肝臓癌を増やす
生活環境因子の一つと考えられるであろう.
そこで本研究では,年齢・時代別に観測された肝臓癌死亡
データからイソフラボンブームに関わる(と推察できる)
効果を抽出し,乳癌に関わる環境効果との比較を行う.
16:00-16:50
講演者2:矢原耕史 (久留米大学バイオ統計センター)
演題:「集団レベルのゲノムデータ解析の潮流 -欧州での経験、
ヒトと病原細菌の接点から-」
概要:DNAシーケンサの技術革新により、約1週間で10人程度の
ヒトゲノムの解読が可能になり、ヒト1人あたりのゲノム
解読コストは数十万円まで下がってきました。そして、
数千人から1万人規模でヒトゲノムを解読するプロジェクトが
世界各地で動く時代が到来しています。一方、特定の薬剤や
病気に関しては、副作用の出やすさや病気の発症しやすさを、
数万円程度の遺伝子検査で調べられる時代も到来しています。
今回のセミナーでは、その最新の社会的動向を概観する一方、
集団レベルの全ゲノム解析研究のフロンティアの一つである
病原細菌を対象として、私がヨーロッパに長期滞在しながら
取り組んできた研究について紹介します。数式はほとんど使わずに、
研究のポイントに興味を持って頂けるように話したいと思います。