2018.04.04
2018年4月19日に久留米大学バイオ統計センター公開セミナーを開催します。
日時:2018年4月19日(木)15:00-17:00
場所:バイオ統計センター 講義室
講演者:川口 淳
(佐賀大学医学部附属地域医療科学教育研究センター・教授)
演 題:複数のデータセットを統合解析するための成分法
概 要:近年の医学ビッグデータ解析は,これまで個々に解析されて
いた複数のデータセットを統合的に解析することによって,
疾患の特徴づけなどを多様な角度から同時に行っている.
脳画像解析ではマルチモダルと呼ばれ,脳の形態と機能など
の側面からの脳病態が評価される.バイオインフォマティク
ス領域ではマルチオミックスと呼ばれ,ゲノム,転写,タン
パク,代謝,などの生体分子情報を網羅的に解析する.
ビッグデータを解析する際に,解析項目(変数)を削減(次
元縮約)することによって,解析の実現可能性の担保,計算
効率化や結果の解釈を容易にする.これには主成分分析(PCA),
PLS, CCA, ICAなどの変数結合により新たな変数(成分)を
得る成分法が有効であり,多くの研究で用いられている.
主成分分析を複数のデータセットの統合解析に応用する場合,
通常の主成分分析を各データセットに適用して,得られた成
分に対してさらに主成分分析を行うような方法が考えられる.
本発表ではデータセット内及びその間の重み(成分負荷量)
を同時に求める方法であるマルチブロック主成分分析法によ
る解析法についてスモールデータ応用例を用いて紹介する.
これによって各データセット内の変数の重みのみならず,
データセット間の重みも関連されて算出され解釈の手助けに
なることが期待される.