2016.11.15
2016年11月24日に久留米大学バイオ統計センター公開セミナーを開催します。
バイオ統計センター公開セミナー
場所:久留米大学バイオ統計センター 講義室
講演者:植木優夫(久留米大学バイオ統計センター)
演題:「最短経路を利用した遺伝関連解析」
概要: ゲノムワイド関連解析(GWAS)では、各SNP毎の周辺的
効果を一変量回帰によって一つづつ調べることが標準とな
っている。これは各SNPを独立に扱うため、連鎖不平衡(S
NP間相関)によって効果が隠される場合には適切な手段とな
り得ない。データが低次元であれば重回帰モデルを用いる
ことでSNP間の相関構造を勘案できるが、GWASデータは
超高次元(p>>n)であるために一般的な重回帰モデルの適用
は困難である。一方、サブセット回帰は大量の候補変数の
組み合わせが生じることから利用は難しい。
本発表では、弱い周辺効果しか示さないが、連鎖不平衡に
よって効果が隠された遺伝的要因を探る手法として、双方
向グラフ上の最短経路を利用した遺伝関連解析法を提案す
る。まず、弱い周辺効果を示すSNPの近傍で連鎖不平衡統
計量により隣接性を定義した双方向グラフを作り、最短経
路を求める。その後、それぞれの最短経路上で重回帰モデ
ルをあてはめてSNPの効果の有無を調べる。ここで保守的
な多重検定補正を適用して効果の発見を行う。遺伝的効果
が隠されたという設定での数値実験により、既存手法より
も遥かに大きい検出力が得られることを示す。さらに実際
のGWASデータへの適用例を紹介する。
日時:2016年11月24日(木)15:00-17:00
場所:久留米大学バイオ統計センター 講義室
講演者:植木優夫(久留米大学バイオ統計センター)
演題:「最短経路を利用した遺伝関連解析」
概要: ゲノムワイド関連解析(GWAS)では、各SNP毎の周辺的
効果を一変量回帰によって一つづつ調べることが標準とな
っている。これは各SNPを独立に扱うため、連鎖不平衡(S
NP間相関)によって効果が隠される場合には適切な手段とな
り得ない。データが低次元であれば重回帰モデルを用いる
ことでSNP間の相関構造を勘案できるが、GWASデータは
超高次元(p>>n)であるために一般的な重回帰モデルの適用
は困難である。一方、サブセット回帰は大量の候補変数の
組み合わせが生じることから利用は難しい。
本発表では、弱い周辺効果しか示さないが、連鎖不平衡に
よって効果が隠された遺伝的要因を探る手法として、双方
向グラフ上の最短経路を利用した遺伝関連解析法を提案す
る。まず、弱い周辺効果を示すSNPの近傍で連鎖不平衡統
計量により隣接性を定義した双方向グラフを作り、最短経
路を求める。その後、それぞれの最短経路上で重回帰モデ
ルをあてはめてSNPの効果の有無を調べる。ここで保守的
な多重検定補正を適用して効果の発見を行う。遺伝的効果
が隠されたという設定での数値実験により、既存手法より
も遥かに大きい検出力が得られることを示す。さらに実際
のGWASデータへの適用例を紹介する。