2015.10.02
2015年10月1日に久留米大学バイオ統計センター公開セミナーを開催しました。
バイオ統計センター公開セミナー
場所:バイオ統計センター 講義室
講演者:矢原 耕史(バイオ統計センター )
演題:「病原細菌の集団に対する統計学的アプローチ -ゲノム内の「組換え」のホット領域推定を例に-」
概要: 今回のセミナーでは、発表者が長年取り組んできた病原細菌の集団に
対する研究について、その意義に関するイントロダクションから始めた後、
発表者が最近注力した計算統計学的手法(Yahara et al. (2014),
Mol. Biol.Evol.)の研究の成果に重点をおいて発表する。
この研究は、ゲノムの個体差を作り出す2つの機構のうち、「組換え」現
象に注目している。「組換え」は、もう1つの原動力である突然変異に比
べて検出が難しく、その頻度をゲノムに沿って推定すること自体、生物学上
の難問の1つであった。また、「組換え」を想定することで塩基配列データを
対象とした統計モデリングは極めて難しくなり、世界中の理論家にとって難
題であり続けている。
この研究では、病原細菌を対象として、ある塩基に生じた組換えの頻度と
強く相関する要約統計量を開発し、それによって、ゲノム内で「組換え」が
頻発し病原性の進化を駆動している「ホット領域」の推定を可能にした。
この方法を、まずシミュレーションデータに適用し、その感度・特異度を評価
した。次に、実データへの適用により、既知および新規の組換えの「ホット領
域」を検出することが出来た。
本年の統計学会連合大会でも同様の発表を行っているが、今回のセミナー
では、学会では時間の制約のため話すことの出来なかった内容についても説
明する(例えば、サンプリングバイアスへの対処、次世代シーケンサによって
解読されたデータへの対応、欠損値のimputation、推定値の安定性と解
釈、結果の可視化など)。
日時:2015年10月1日(木)15:00-16:30
場所:バイオ統計センター 講義室
講演者:矢原 耕史(バイオ統計センター )
演題:「病原細菌の集団に対する統計学的アプローチ -ゲノム内の「組換え」のホット領域推定を例に-」
概要: 今回のセミナーでは、発表者が長年取り組んできた病原細菌の集団に
対する研究について、その意義に関するイントロダクションから始めた後、
発表者が最近注力した計算統計学的手法(Yahara et al. (2014),
Mol. Biol.Evol.)の研究の成果に重点をおいて発表する。
この研究は、ゲノムの個体差を作り出す2つの機構のうち、「組換え」現
象に注目している。「組換え」は、もう1つの原動力である突然変異に比
べて検出が難しく、その頻度をゲノムに沿って推定すること自体、生物学上
の難問の1つであった。また、「組換え」を想定することで塩基配列データを
対象とした統計モデリングは極めて難しくなり、世界中の理論家にとって難
題であり続けている。
この研究では、病原細菌を対象として、ある塩基に生じた組換えの頻度と
強く相関する要約統計量を開発し、それによって、ゲノム内で「組換え」が
頻発し病原性の進化を駆動している「ホット領域」の推定を可能にした。
この方法を、まずシミュレーションデータに適用し、その感度・特異度を評価
した。次に、実データへの適用により、既知および新規の組換えの「ホット領
域」を検出することが出来た。
本年の統計学会連合大会でも同様の発表を行っているが、今回のセミナー
では、学会では時間の制約のため話すことの出来なかった内容についても説
明する(例えば、サンプリングバイアスへの対処、次世代シーケンサによって
解読されたデータへの対応、欠損値のimputation、推定値の安定性と解
釈、結果の可視化など)。