私たち＝久留米大学バイオ統計センターは、「バイオ統計学＝医学・生物学を含む幅広いライフサイエンスに対する統計学」を専門とした教育、方法論研究、研究支援を行っています。

治療法の有効性の判断、危険因子のリスク評価、疾患発生予測 ... 世の中の多くの問題は、何らかのデータを集めて分析し、結果を解釈して意味のある答えを見出すことが求められます。しかし、そのために必要不可欠な統計学を十分に理解して使いこなせる専門家の不足が大きな問題となっています。特に医学研究において、結果の信頼性を保証するためには、統計専門家の介入なしではデータ分析はもちろん、研究の計画、データ収集すらできないということも少なくありません。また、情報技術や遺伝子解析手法の発展により、大量のデータがどんどん蓄積されていくという時代になったものの、あふれる情報を有効に活用し、適切な意思決定のために意味のある情報を効果的に引き出せる人材は依然として限られています。米国などに比べ遅れているものの、日本における統計専門家やデータサイエンティストと呼ばれる職種は、その役割や重要性がようやく認識され始めたところです。

このような背景の下、私たちは、日本において初の『バイオ統計学を専門とする大学院』として2003年の開講以来、多くの人材を育成し、医薬・情報関連企業、教育研究機関などに輩出してきました。とりわけ、国際水準に基づき理論と実践を重視した質の高いカリキュラムや、高い専門性を持つ教員による徹底した個人指導、さらに、国内外の研究機関との共同研究の機会など、様々なバックグラウンドを持つ学生や社会人がバイオ統計学を学ぶ場として、国内有数の環境であると自負しております。

科学が解決すべき問題は今後ますます拡大・複雑化し困難なものとなることが予想され、バイオ統計学の役割への期待も一層高まっていくと思われます。私たちは、科学者としての使命感、責任感を持ち、より質を究めた教育・研究・支援を通じて、バイオ統計学、さらに医療や健康福祉の発展に貢献していきます。